ジャンル |
地唄・箏曲 箏組歌 裏組 |
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作曲者 | 三橋検校 |
調弦 | 平調子 |
唄 |
一 足引きの 巌なでし劫や なほ真鶴の羽衣を 千代に一度打付けて 撫づともさらに尽きすまじ 二 長居の浦や春の日に 葦の若葉の柔らかに 雛をも連れて遊ぶなる 鶴の景色ぞ誇らしき 三 鶴に乗りし仙人の 心に任せ行き通う 蓬が島と聞えしは いつも老いせぬ所とや 四 籠の内知らぬ思い出の 物数ならぬ 古へ 高い位を許され 車に乗りしためしあり 五 御手洗川に住む亀は 神代をかけて知りぬらん 蓮の浮き葉に遊ぶなる 千歳の後は身は軽し 六 数の占文字負ひ出でし あとに倣ひて今も猶 夕占を問へば何事も 吉に定まるめでたさよ |
訳詞 |
1.天女が三年に一度舞い降りてきて巌を撫でるということだが、鶴が千年に一度、その羽で巌を打ち付けて撫でても、巌は少しも減っていない 2.春の日が長居の浦にうららかに照り、葦は柔らかい若葉を芽吹いている中に、鶴が雛を連れて遊んでいる様子は、大変のどかで、平和な御代を誇らしく思う 3.鶴に乗って思い通りに行き来している仙人が住んでいる蓬莱山は、不老長寿の霊山であるということだ 4.籠の中で飼育されたことのない鶴は、自分は大空を自由に飛びまわれると思い上がっているが、そんな事は大したことではない。昔の中国では、大夫の位まで与えられて車に乗っていた鶴の例があるぐらいだから 5.神苑の池に住む亀は長寿だから神代の昔のことも知っているに違いないし、千年経つと身が軽くなるということだから、蓮の葉の上で遊んでいる 6.亀甲の亀占いを今も行なっているが、夕占を問えば、すべて吉と出て、大変めでたい |