ジャンル |
地唄・箏曲 端唄物 |
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作曲者 | 峰崎勾当 |
作詞 | 三井次郎右衛門の愛人首のぶ |
調弦 | 三絃:本調子 |
唄 |
一 浮草は思案の外の誘ひ水、恋が浮世か浮世が恋か、 ちょっと聞きたい松の風、問へど答へず山時鳥。 二 月夜はもののやるせなき、癪に嬉しき男の力、 じっと手に手を、なんにも言はず、二人して釣る蚊帳の紐。 |
訳詞 |
1.浮草のような浮いた恋は、誘う水があれば思案の外と言う。恋が浮世なのか、浮世が恋なのか、松の風にそれを聞きたいものだが、問えど答えがなく、山時鳥の鳴き声が聞こえるばかりだ。 2.月夜はものがやるせない、強い男の力は癪にはさわるが、男らしくて却って嬉しい。じっと手と手を握り合って、何も言わず、二人で蚊帳の紐を釣る。 |
補足 |
本調子端唄。 本来は、「小簾の戸」を読み誤ったものという。 歌舞伎芝居の下座唄・落語芝居咄「滝川」のはめ物として 用いられる他、うた沢にも「浮草」と題して取り入れられる。 「千重之一重」に唄と箏の譜収載。 冒頭の歌詞は『儘の川』にも取り入れられる。 |