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七草
[ナナクサ]

ジャンル 地唄・箏曲
端唄物
作曲者 津山検校
作詞 河野対州
調弦 三絃: 二上り
  [前弾]

  すめらぎの、我が代も尽きじ石川や、

  [合の手]

  瀬見せみ小河をがはの絶えじと、
  思へばおもへば音澄める。

  [合の手]

  鈴菜すずしろ神さびて、
  雲の上にもはこべらや、
  結びし水も隔ても波の仏の座よ。

  [手事]

  天地五行あめつちごぎやうやはらぎて、光長閑ひかりのどけき塵分ぬ。

  [合の手]

  なづなせり摘む賤の女も、
  もらさで祝ふ千代八千代。
訳詞 天子の御代は尽きることはあるまい。
石川や瀬見の小河の絶えることはあるまいと、思えば思えば河の音が澄んで聞える。
その澄んだ鈴の音色のすずしろを、神々しくも雲の上にも運ぶはこべらや、汲み上げた水も隔てなく、寄せる波の仏の座よ。
天地五行は和らいで光も長閑に清々しい。
薺、芹を摘む賤の女ももらさず、皆で祝う千代八千代の御代を。
補足 二上り端唄。
1781年『新大成糸のしらべ』に歌詞初出。
春の七草の名を織り込んで、千代を祈っている。
短いながらも、手事部分は器楽性に富む。
この部分に新たな歌詞を増補して歌っていたらしく、『粋の懐』にその歌詞がある。
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