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稀の寿
[マレノコトブキ]

ジャンル 地唄・箏曲
山田流
作曲者 四世山木千賀
調弦 箏:平調子
三絃:本調子
  [前弾]

  すがの根の、長き思ひを今日こそは、
  松が枝ありてへだてなき、恵みにしげる竹垣の、
  みどり木高く年ふりし、梅も百枝ももえ若枝わかえさし、
  みぎはの池に住む亀の、よはひも久しく万代代よろづよよ

  [合の手]

  古来まれなる寿ことぶきを、浜の真砂まさごの数かずに、
  くらべて君をまなづるの、綾羽あやは重ねてくれなゐの、
  いただき深み御園生みそのふは、よもぎが島もおよびなき、
  かげ相生あひおひにそなれつつ、栄えさかゆるためしかや。
訳詞 長い思いも今日こそは待った甲斐があって、松の枝の隔てなく、恵みに茂った竹垣と立っている。
緑木高く年を経た梅は沢山の枝や若い枝が芽を出している。
汀の池に住む亀の齢は久しく万代と、古来稀なめでたさを浜の無数にある砂と比べるくらいである。
また君は鶴の綾羽を重ねて衣とし、頭には深い紅色をつけ、御園生は蓬莱山も及ばないほど幸多く、夫婦は仲良く馴れ合って栄えるものの例として称えられることであろう。
補足 山田流箏曲。
古希の祝寿の唄で、長寿のしるしである鶴亀、松竹梅を配してうたっためでたいうた。
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