ジャンル |
地唄・箏曲 手事物 |
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作曲者 | 不詳 箏手付け:宮城道雄 |
作詞 | 不詳 謡曲「高砂」より |
調弦 |
三絃:本調子 - 三下り - 本調子 - 二上り 箏:四上り半雲井調子 - 半雲井調子 - 平調子 |
唄 |
一 やらやら、めでたやめでたやと、うたひうちつれ尉と姥、 その名も今に高砂の、尾上の松も年ふりて、 老の波もよりくるや、この下かげの落葉かくなるまで、 いのちながらへて、なほいつまでか、いきの松、 千枝に栄えて色ふかみ、琴の音かよふ松の風、 太平楽のしるべかな。 二 ゆたかにすめる日の本の、恵みは四方にてりわたる、 神のをしへのあとたれて、つきじつきせぬ君が御代、 万歳祝ふかみ神楽、にしみんの舞に八乙女の、 袖ふる鈴やふりつづみ、太鼓の音や笛の音も、 手拍子そろへていさぎよや。 三 あらおもしろやおもしろや。とざさぬ御代に相生の、 松のみどりも春くれば、いまひとしほに色まさり、 深くちぎりて千歳ふる、松の齢も今日よりは、 君にひかれて万代の、春にさかえん君が代は、 万々歳と舞ひうたふ。 |
訳詞 |
1.ああ、めでたいめでたいと尉と姥がうたいうち連れ、その名は今も名高い高砂の尾上の松も年を経て、老の波も寄ってくるのであろうか。この松の下かげの落葉をかき集めるほど多くの年をながらえて、なおいつまでも生きる松のたくさんの枝は繁茂して緑の色濃く、松に吹く風は琴の音に通い太平楽の調べをかなでている。 2.豊かに澄んだ日本の恵みは四方に照り渡り、神の教えを守りながら尽きない君が御代の万歳を祝う神楽に、日輪の舞を舞う大勢の乙女達の振る袖は、太鼓や笛の音の手拍子もそろって、すがすがしい眺めである。 3.ああ、おもしろいおもしろい。平和を閉ざさぬ御代に相生の松の緑も春がくれば、さらに一層緑の色をまして深く契り、千年を経た松の齢も今日よりは君の寿にひかれて、御代万々歳を舞いうたい、万代の春をたたえることであろう。 |
補足 |
本調子手事物。 播州加古川の尾上の松の長寿に寄せて、平和な御代を祝う祝儀曲。 前後に2回の手事があり、前半の手事を、「楽三段」と言われ、雅楽的な雰囲気をあらわす。 後半の手事は手事二段とチラシからなり、「神楽拍子」と言われ 「神楽地」が合わされる。 |