ジャンル |
地唄・箏曲 砧物 |
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作曲者 | 不詳 |
作詞 | 不詳 |
調弦 |
三絃:本調子 箏:平調子 |
唄 |
一 月の前の砧は、夜寒むをつぐる。 雲井の雁は琴柱にうつして面白や。 [手事] 二 夜半の砧のしぐれの雨と、夜半の砧のしぐれの雨と、 うちつれたちて、けふのあそびは。 |
訳詞 |
1.秋の夜、皎々たる月に照らされた野辺に、遠くから聞こえて来る砧の音は、夜の寒さを感じさせる。空を飛んでいる雁の列は、琴柱が並んでいる模様のようでおもしろい。 2.夜半の砧の間断なく打つ音と、降っては止み、止んではまた降る時雨の合奏は、大変に面白い管弦の遊びのようであった。 |
補足 |
山田流箏曲。砧物。 もとは胡弓の曲とも言われ、全く廃絶していたものを山室保嘉と初世山勢松韻などが研究。 「月の前の砧は」で始まる短い前唄のあと、長い手事があり、最後に後歌が付く。手事部には砧地を通して弾くことも多いが、他に低音の替手も作られ、さらに中能島欣一によって第1替手・第2替手もある。 |