ジャンル |
地唄・箏曲 手事物 |
---|---|
作曲者 | 峰崎勾当 |
作詞 | 不詳 |
調弦 |
三絃:本調子 箏:低平調子 |
唄 |
磯辺の松に葉隠れて、沖の方へと入る月の、 光や夢の世を早う。覚めて真如の明らけき、 月の都に住むやらん。 今は伝てだに朧夜の、月日ばかりは廻り来て。 |
訳詞 | 月は磯辺の松に隠れて見えないが、沖の方にと次第に移ってゆく。早世した亡き人の一生は、儚い夢のようなものであった。しかし、人間は誰でも必ずや仏の世界に行くという理を悟ってみれば、個人は今は西方弥陀の浄土に住んでいることであろう。忌日ばかりは徒に廻ってくるがたよりは何もない。まことに哀悼の情にたえないものがある。 |
補足 |
本調子手事物。「シマ三つ物」「芸子三つ物」の一つ。 手事は五段からなり、チラシがつく。 初段と二段、三段と四段は同拍数で段合わせが可能。 箏の手は各地で様々あり、京残月、大阪残月などの区別がある。 |