ジャンル |
地唄・箏曲 山田流 |
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作曲者 | 初代中能島松声 |
調弦 |
箏:平調子 三絃:本調子 |
唄 |
[前弾] かねてより、こがれこがれし君さまに、 大川端も昨日今日、うれしいのきや今更に、 うそじやないもの本所の、 ちぎりはかたき石原や、向うゆかしき白妙の、 ふじにてりそふ首尾の松、 [合の手] 心のたけや梅のぼりの、水もすみだのよどみなく、 いつも私がそばにゐて、千代も八千代も玉椿、 変らぬ色の影きよく、わがつまばしと都鳥。 |
訳詞 |
以前から恋しくて胸をもやしていた君様に、逢いたい大川端も、昨日今日うれしい気持ちののきやである。 今更いうもおこがましいが、嘘じゃない本当の本所と契った約束は、石のように堅い石原である。 吉原に向うのもゆかしい白い富士山い照り輝く首尾の松である。 思う存分惚れ込む梅ぼりの水も澄んだ隅田川と淀むとこなく、いつも私のそばにいて、千代も八千代も椿の変らない色の影が美しく私の妻なる吾妻橋と可愛らしい都鳥と愛されることであろう。 |
補足 |
山田流箏曲。 本所付近の名所八つ、大川端・のきや・石原・首尾の松・竹町・梅堀・隅田川・吾妻橋とあげてうたった歌。 |