ジャンル |
地唄・箏曲 端唄物 |
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作曲者 | 峰崎勾当 |
作詞 | 飾屋治朗兵衛 |
調弦 | 三絃: 二上り |
唄 |
春の夜の、闇はあやなし、それかとよ、 香やはかくるる梅の花、散れど薫りはなほ残る。 袂に伽羅の煙り草。きつく惜しめどその甲斐も、 なき魂衣ほんにまあ、柳は緑、紅の、 花を見すてて帰る雁。 |
訳詞 | 春の夜の闇は、梅の花を隠して見せないけれども、香りは隠すことは出来ない。 花は散っても薫りはなお残っている。 故人は亡くなってもその衣服の袂に、伽羅の香りが漂っているように、その名は消えない。 大変惜しんでみたが、今更その甲斐はない。 ホントにまあ、柳は緑、花は紅と楽しめば楽しめた世の中を、どうして黄泉の国に旅立ってしまったのか。 それは時節が来れば、咲いている花に背を向けて、帰るべき国に飛び去って行く雁のようなものであるのか。 |
補足 |
二上り端唄。 1785年に没した峰崎勾当の師の豊賀検校を追善して、伽羅の香をたくさまを詠う。 |