ジャンル |
地唄・箏曲 山田流 |
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作曲者 | 山登万和 |
作詞 | 中村秋香 |
調弦 |
箏:雲井調子 三絃:三下り |
唄 |
千早ふる、神の御代より、久かたの天地のむた動きなく、 しづまりたてる大内山、あま雲もいわきはばかる尾上の松の、 相生のかげいやたかみ、かはす枝にうらうらと、 輝きのぼる朝日かげ、国の御いづも年のはごとに、 しみ栄えつつ、東の峯に生ひ立ちて、 ちとせこもれる若松が枝に、末かぎりなき春をちぎりて、 鶴こそやどれ、鶴ぞやどれる。 御代万歳と祝ふなる、大内山の松風に、 やがてもあすぞたぐふべき、巣籠る雛の千代の諸声。 |
訳詞 |
神の御代から天地とともに動くことなく静まり立った皇居である。 御苑の峯の松は共々にいよいよ高く、空行く雲も流れていく足を止めて遠慮するのである。 互いに取り交わす枝に長閑に輝いて上る朝日の光は輝き、国の御威光も毎年ますます栄えて、東の峯に生長したそれには千年の齢をこめた若松(東宮)の枝に、行く末限りなく若々しくあることを契り、鶴が宿るのである。 御代万歳と祝って、皇居の松風の音に巣籠る雛がもろともに声を合せて千代を寿いで鳴くのである。 |
補足 |
山田流箏曲。 音楽取調掛の俗曲改良運動に呼応して作られた作品。 1898年の勅題「松上鶴」にちなみ、皇居の大内山に生い立つ松に宿る鶴にこと寄せて、御代のますます栄えんことと皇太子の成長を祝したもの。 新年の弾き初めなどの祝儀曲として行なわれ、関西でも明治新曲一つとして扱われて流行した。 |