ジャンル |
地唄・箏曲 山田流 |
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作曲者 | 原曲:歌木検校 移曲:不詳 |
作詞 | 不詳 |
調弦 |
箏:平調子 三絃:二上り |
唄 |
[前弾] 年たちかへる春の空、垣根の草はいろづきて、 柳の絲もうちけぶり、薫りもゆかし梅の花、 をりもをりとて笛の音の、雲にひびけるここちして、 花も散るなり、花も散るなり笛の音に。 |
訳詞 |
新年の春の風情を見ると、垣根の草は青く色づき、柳の枝は糸を垂れてけぶったように細く靡き、梅の花は馥郁となつかしく薫っている。 そのとき丁度よい具合に笛の音が聞こえて来て、甲高い音色は雲のたなびく空まで響く心地して、その響きに花も散るのである。 花も散るのである笛の音に。 |
補足 |
山田流箏曲。初学曲。 地歌の『言葉質』を移曲した山田流箏曲の『江戸紫』の詞章を、明治期の俗曲改良運動に伴って改作、曲題を改めたもの。 文部省音楽取調掛撰『箏曲集第1編』(1888年)に五線譜収録。 短い前弾が付き、最初の合の手が少しづつ音高を変えて反復、変奏されて現れる。 |