古典曲検索

竹生島
[チクブシマ]

ジャンル 地唄・箏曲
端唄物
作曲者 菊岡検校 箏手付け:八重崎検校
作詞 不詳(東都某?)
調弦 三絃: 二上り
箏: 平調子
  さる程に、これは勿体もつたいなくも竹生島、弁財天の御由来、
  委しくこれを尋ぬるに、津の国難波の天王寺、
  佛法最初の御寺なり。

  本尊何かと尋ぬるに、しょうめん童子庚申かのえさる
  聖徳太子の御建立、三水四石で七不思議、
  亀井の水の底きよく、千代に八千代にさざれ石、
  いはほとなれや八幡山、八幡に八幡大菩薩。
  山田に矢橋やばせの渡し守。
  漕ぎゆく船から眺むれば、女波男波の絶間より、
  弓手ゆんでにたかき志賀の寺、馬手めては船路で片をなみ、
  沖なる遥かを見わたせば、昔聖人のほめたまふ、
  余国に稀れなる竹生島。
  孝安天皇の御代のとき、頃は三月十五日、
  しかもその夜はつちのとの、己を待つ辰の一天に、
  二股竹を相添へて、八声やごえの鶏ともろともに、
  金輪奈落の底よりも、揺ぎ出でたる島とかや。
  さるによって鳥居にかげし勅額は、
  竹に生るる島とかく。
  これ竹生島とは読ますなり。
  弁財天は女体なれど、十五童子のそのつかさ、
  巌に御腰をやすらへて、琵琶を弾じておはします。
補足 京物の二上り端唄物。
難波の四天王寺から竹生島への参詣の道行を導入とし、竹生島縁起を歌ったもの。 謡曲とは無関係。
一覧に戻る