ジャンル |
地唄・箏曲 山田流 |
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作曲者 | 山田検校 |
調弦 |
箏:平調子 三絃:三下り |
唄 |
長閑なる、春の心にさそはれて、花の下紐うちとくる、 契りや昨日今日はまた、思はぬかたの山風の、 吹くにまかする花の枝、それも浮世のならひぢやものを、 心よわさをとがにして、あだなる花とともすれば、 たつ名はづかし山桜。 |
訳詞 |
長閑な春の風情に心がひかれて花が咲いて、下紐のとけて心変わらないことの契りを交わした。 しかし、今日意外な方から邪魔が入り、山風の吹くにまかせて散る花の枝、それも浮世の常のならわしと、心弱さの欠点から定めない花となって、浮名の評判の立つはずかしい山桜となるのである。 |
補足 |
山田流箏曲。初学曲。 春がきての山の桜の花が咲いたかと思うとすぐに山風にまかせて散ってしまうことに寄せて、女心の変わりやすさを述べたもの。 中間に桜の散る気分を描いたものといわれる合の手をはさむ。 |