ジャンル |
地唄・箏曲 三味線組歌 裏組 |
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作曲者 | 柳川検校? |
調弦 | 本調子 |
唄 |
[前弾] 一 さてもそなたの、立ス姿、春の青柳、イヨ糸ザ桜、 見ればン心が、たよたよと。 二 文も遣りたし、便宜もしたや、面影に立つ、その面影を、 忘られもせで、身に添ひそぞろに、浮かれ来て、 イヨうきゃうこつや、正体なしや、憂きや、恋のとまらぬ、 イヨただとにかくに、恨めしや。 枕にかかる、乱れ髪、いとど心の、乱れ乱れて、遣瀬なや、 よしやその身は、何と何となろぞ、女気ぞ。 三 縁なき思ひに、身は呆れて、イヨ身は呆れて、朝顔の、 花の露より、脆き身を、もちてさのみに、心な尽くさせそ、 イヨ尽くさせそ。 四 十七八は砂山の躑躅、ン寝入ろとすれど、 揺りイヨユ揺り起さるる。 五 曇り鏡が、我が身は、イヨ思ひ廻せば、磨ぎ欲しや、 とぎ欲しや、とぎ欲しや。 六 明日は殿御の、砧打ち、明日は殿御の、砧打ち、御方姫御も、 出てうたへ、砧踊りは、面白や、砧踊りを、一踊り。 |