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鶴の巣籠
[ツルノスゴモリ]

ジャンル 地唄・箏曲
明治新曲
作曲者 久幾勾当 箏手付け:駒中検校
調弦 箏:半雲井調子-平調子
三絃:本調子-二上り
  [前弾]

  寿ことぶきの御代なれば、ぎりよふはそのに遊ぶ、
  しんじやくそのはやしに住む、伶人れいじんは鼓をならし、
  亀は浮木うききに戯れて。

  その枝々えだえだに鶴が巣をくむ、雛鶴もうけし真鶴まなづるに、
  松の緑に千代かけて、鶴の巣ごもり末を待つ。

  [手事]

  君が代は君が代は、千代八千代にさざれ石の、
  いはほとなりて苔のむすまで、に治めばや国とかやな。
訳詞 本当におめでたい御代であるので、麒麟は遊び出て、鳳凰は林に住む。
伶人は鼓を打ち鳴らし、亀は池に浮いた木屑に戯れ、林の枝々には鶴が巣を作る。
雛鶴を生んだ真鶴に松の千代も変らない緑と、鶴の巣ごもりは雛の成長して栄える末を待つのである。
それは丁度古今集の歌に君が代は千代八千代に細石の巌となりて苔のむすまで、と祝うように、本当に平和に幾久しく治まってありたい国でありますよ。
補足 手事物形式。
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