ジャンル |
地唄・箏曲 箏組歌 表組 |
---|---|
別名 | 友鵆曲 |
作曲者 | 久村検校定一 |
調弦 | 平調子 |
唄 |
一 満干絶えせぬ塩の山 差し出の磯の友千鳥 君が御代をば幾千代と 声も豊かに鳴き交はす 二 日影のどけき春日野に 若菜摘みつつ万代を 祝ふ心の道直に 神の恵みを祈らん 三 誰かは飽かぬ常磐なる 松の緑も春はなほ 今一入の色見えて 眺めも深き木の下 四 移し植ゑてし庭の面に 生ひ添ふ竹の枝茂く 繁くも見ゆる千代の蔭に 馴るる齢をいつまで 五 向ふも広き海神の 浜の真砂を数へつつ 世の有り数に取り做して 久しき程も知らばや 六 寿き慣れし鶴亀も 千歳の後は知らなくに 飽かぬ心に任せつつ 限りもあらぬ行く末 |
訳詞 |
1.塩の山の突き出た磯にすむ千鳥でさえ君の御代が八千代に亙るようにと声も豊かに鳴き交わしている 2.のどかな春日野で若菜を摘みながら、この世がいついつまでも続くことを祝う心も一すじに、春日明神の御加護を祈ろう 3.常に緑の松とはいえ、春には一層色が濃く見え、木の下の眺めも趣深くなるのを眺めて、誰か飽きる者がいるだろうか 4.庭に移し植えた竹が一層茂っているので、同様に一層繁るように思われるこの世に馴れて、年齢も経ていつまでも変わらずに栄えるであろう 5.向かってみても広い海の浜の砂の数を数えて、余命もその数のように無限にあって久しいというほどを知りたいものだ 6.長寿といわれ、おめでたいとしきた鶴や亀でさえ、千年後のことは分からないので、今の満足した心のままに、生きられるだけ生きて、限りのない行く末を祈ろう |