ジャンル |
地唄・箏曲 手事物 |
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作曲者 | 幾山検校 |
作詞 | 惺園篁鳳 |
調弦 | 三絃: 三下り |
唄 |
北時雨小原の里に聞き馴れし、梟の鳥の宵だくみ、 早や摺り置けと世話やきし、糊附け物の忙しさも、 今日の日和を楽しみに、重い身をさへ苦にせぬを。 逢ふ度毎に荒けなく、百度千度続け打ち、 叩いて叩いて叩かれて、あた嬉しいは槌の音。 |
訳詞 | 北山時雨に小原の里で聞きなれた梟の鳥が宵に工夫をねって、早く模様を摺っておけと、世話をやいた。糊をつけるものの忙しさも、今日の日和を楽しみに、お腹が大きく身重になったことさえ苦にはならない。逢う度毎に荒々しく、百度千度続け打ちに、たたかれたたかれたたかれぬいて、ああなんと嬉しい槌の音であるよ。 |
補足 |
地歌。三下り手事物。打合せ物。砧物。 同じ作詞・作曲者による本調子の『横槌』と同時演奏が出来るように意図されている。 来るべき冬に備えて、布を打盤の上に乗せ、横槌で打つ砧に寄せて、里の女の恋心を歌っている。 前歌・手事・後歌の構成で、手事にはチラシが付く。 |