ジャンル |
地唄・箏曲 山田流 |
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作曲者 | 山田検校 |
作詞 | 不詳 |
調弦 |
箏:平調子 三絃:二上り |
唄 |
一夜かりねにあふみ路の、朝妻山は深からぬ、 人の契の名なれやと、なれにしとこの山風に、 ねみだれがみの柳かげ、つながぬ舟の浮きて世に、 遂の寄方はいさや河、いざしら波も声そへて、 うつやつづみの、うつやつづみの、うつつなや。 |
訳詞 |
一夜の仮寝に逢った近江路の朝妻山は遊女との一夜だけの深くない、浅い契りの名の山であるよと、なれた床の上の鳥籠山の風に吹かれて、柳の枝のような寝乱れ髪で、繋がない舟のただよい浮いて、あてにならない浮世に、いさや河の名のようにいざと言われれば、行方がかわらない。 白波も声を合わせて、打つ鼓の音はうつつなく、いつまでたっても、しっかりあてにならない遊女の身であるよ。 |
補足 |
山田流箏曲。初学曲。 朝妻舟の遊女の身の儚いことを歌った内容。 やや長い前弾が付く。最後の「打つや鼓の」の繰り返しの部分の間に入る手が特徴的。 |