ジャンル |
地唄・箏曲 手事物 |
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作曲者 | 光崎検校 |
作詞 | 石野某 |
調弦 |
三絃: 二上り - 三上り ( 高一下り )- 本調子 箏: 半雲井調子 - 平調子 平調子 - 中空調子 (九州系など) |
唄 |
あら玉の、春は氷も解け初めて、浪の花こそよすらめと、 瀬々の白波しげければ、かすみぞながす浮島の、 げに面白や。昔の春も今もなほ、変らで花の麗はしく、 水もにごらぬさくら川。 |
訳詞 | 年があらたまって春になると、氷も解け始め、やがては桜の季節になる。ここは桜の名所なので、この桜川の川波に桜の花の散り浮んだ眺めは、またとなく好ましい見物であろう。川のあちこちの瀬に白波が立つので、信太の浮島あたりは、霞を流したようにかすんでいる景色は、誠に面白い。昔の春も今の春と変わらず、桜は麗しく、桜川の水もまたにごってはいない。 |
補足 |
京風手事物。 藤永検校作曲の三下り端唄・謡物の『桜川』と区別して『新桜川』ともいう。 謡曲『桜川』で有名な、常陸の桜川(筑波川)を歌ったもの。一部謡曲の詞章によるが、謡曲そのものとは無関係。 初段に『八重霞』の手事一段を地として用い、二段に砧地を合わせる。三絃替手もあり、三絃合奏もある。 |